婦人科で行われる血液検査。病気や症状・主訴(患者様の症状の訴え)によって行われる血液検査の内容は変わります。
必ずしも採血が実施されるわけではありませんが、(必要時は)実施されるケースは多くあります。

それにしても一般的な血液採血の項目って、どんな内容なのかな?

検査項目と内容についてお伝えしますね!
・婦人科で実施される一般的な血液検査の内容が分かります。
・ピルを内服している方の血液検査の必要性が分かります
・腫瘍マーカーについてお話します
一般的に実施する血液検査について
やっぱり気になる貧血!実施される検査項目はなに?
月経がある女性であれば、やっぱり気になるのが貧血。婦人科で最も行われている検査の一つです。
貧血を調べるのはやはり血液検査が必須!ここでは基本的な検査項目について記載します。
項目 | 基準値 | 目的・内容 |
赤血球数(RBC) | 女性 350~500 男性 400~550 | 身体に酸素を運ぶ役割 貧血検査には欠かせない項目 その他、出血・脱水・ショックなどの異常もチェック出来る |
白血球数(WBC) | 成人 4,000~9,000 | 免疫に関係する役割がある 感染や炎症・免疫によって大きく変動する |
ヘモグロビン量(Hb) | 女性 12~15 | 赤血球に含まれる色素成分 酸素を運ぶ重要な役割をもっている |
血小板(PLT) | 成人 15~40 | 血液が外に漏れないよう防いでくれるもの 減少すると出血が止まりにくくなる |
ヘマトクリット値(Ht) | 女性 39~52 男性 34~46 | 血液中に赤血球がどれだけ占められているか見る値 貧血の診断には必要 |

他の病気がなければ、貧血は女性には身体に負担が大きいです。治療を始めることが大切です。
女性は月経のために貧血傾向になりやすいです。
めまい・息切れ・身体がだるく疲れやすいなどの症状があり、とても辛いですよね。早めに治療が必要となります。
検査結果は当日、または1~2日間で出ることが多いです。※結果確認は、病院の指示にしたがって確認ね♪
貧血の一般的な治療方法
事故や怪我による大量の出血や病気による内臓からの大量出血など、大きな病気が原因でない貧血は鉄剤の内服になることが多いです。

鉄剤・・・憂鬱だなぁ。胃が痛くなっちゃうんだよね・・・

そうですよね、胃が痛くなることもありますよね。胃に負担かけない飲み方も大事ですよね!そして食事もね大事です♪
鉄剤は胃が痛くなったり、そうでなくても胃がムカムカしやすいものです。
鉄剤の不快な気分を避けるためにも食後に内服したり、空腹時に飲まないようにすることも大切です。
そして食事は大切!
レバーが代表的ですが、やっぱり赤いお肉!
肉類の鉄分は【ヘム鉄】といって身体に吸収しやすい形をしています。
積極的に食べてほしいですね♪
女性ホルモン検査(E2、FSH、LH、PRL、P4)
婦人科にまつわる検査といえば女性ホルモン検査ですよね!
一般的な女性ホルモン検査の項目はこちら!
項目 | 基準値 | 目的・内容 |
E2(エストラジオール) | (非妊娠時) 卵胞期 28.8~196.8 排卵期 36.4~525.9 黄体期 44.1~491.9 閉経後 47.0以下 男性 14.6 〜 48.8 | 卵巣から主として産生される卵胞ホルモンのこと 卵巣機能とくに卵胞発育の状態を知るためには大切なホルモン |
FSH(卵胞刺激ホルモン) | 卵胞期 3.01~14.72 排卵期 3.21~16.6 黄体期 1.47~8.49 閉経後 157.79以下 男性 2~8.3 | 卵巣を刺激して卵子が入っている卵胞を育てる働きがある 下垂体という脳内にある器官から分泌される |
LH(黄体形成ホルモン) | 卵胞期 1.76~10.24 排卵期 2.19~88.33 黄体期 1.13~14.22 閉経後 5.72~64.31 男性 0.79~5.72 | 排卵及びその後の黄体形成を促すホルモン (下垂体から分泌される) |
PRL(プロラクチン) | 閉経前 4.91~29.32 閉経後 3.12~15.3 男性 4.29~13.69 | 乳汁分泌ホルモンのこと 赤ちゃんにおっぱいをあげるときに値が高くなる (下垂体から分泌される) |
P4(プロゲステロン) | (非妊娠時) 卵胞期 0.28以下 排卵期 5.69以下 黄体期 2.05~24.2 閉経後 0.33以下 男性 0.22以下 | 卵巣から排卵後に分泌され上昇し、子宮内膜の維持にも関係するホルモン 妊娠の成立およびその維持に重要なホルモンでもある (胎盤が出来るまでの赤ちゃんのご飯的なイメージ) |
これらのホルモンの結果を医師は総合的に判断し、治療に役立てています。

女性ホルモンの値で治療の判断をしているんだね!

ホルモンの値は日によって変動します。治療によっては度々採血しますから、参考にしてね♪
検査結果は通常5~7日間で出ることが多いです。※結果確認は、病院の指示にしたがってね♪
ときには甲状腺ホルモンも検査する
実は甲状腺ホルモンも女性の月経周期に関係しています。
甲状腺ホルモンは女性ホルモンの分泌にも関係しているため、月経不順や無排卵などを起こし、不妊を引き起こすことがあるのです。適切な治療を受けることで甲状腺ホルモンの分泌量が正常に戻り、症状も消えていきます。
引用 かがやき内科・糖尿病クリニック
甲状腺のホルモン値が高すぎても低すぎても、妊娠しにくくなるといわれています。
不妊治療では基本検査に甲状腺検査を入れているクリニックや病院がほとんどです。
項目 | 基準値 | 目的・内容 |
TSH | 0.500~5.00 | 甲状腺刺激ホルモンのことで甲状腺の機能を見るために必要な検査 下垂体から分泌され、甲状腺からのホルモン分泌を促す作用がある |
FT3 | 2.30~4.30 | 甲状腺の機能を見ることが出来る甲状腺のホルモンの一つ タンパク質・水分などの代謝に重要な働きがある 遊離トリヨードサイロニン(Free T3)という |
FT4 | 0.90~1.70 | 甲状腺の機能を見ることが出来る甲状腺のホルモンの一つ タンパク質・水分などの代謝に重要な働きがある 遊離サイロキシン(Free T4)という |
甲状腺の病気は、「なんとなくだるい」などの軽い症状からも始まりますので見逃されやすいです。
最近では健康診断のオプションでつけられる所もあります。
心配な方は、一度受けても良いのかもしれませんね♪※検査結果は4~7日間で出ることが多い
ピルに関係する検査は、副作用を発見するためにも重要です!

月経が辛くてピルを内服しているんです。血液検査って何で必要なの?

ピルは肝臓や腎臓にも影響がでることも!定期的な検査は必要です♪
ピルは月経困難症の患者様にとって救世主の様な存在ですよね!
ピルもお薬!副作用はあります!やはり飲み続けるには定期的な血液検査をして、身体に負担がないか?血液が固まりやすくなっていないか副作用のチェックをします。
とは言え半年ごと(一年に2回)程度の採血ですから、医師から声が掛かったら検査を受けてくださいね!
※病院やクリニックによって定期採血の頻度は変わりますので注意!
項目 | 内容 | 目的 |
貧血検査 | 上記”貧血検査”参照 | ピルは月経困難症の軽減目的での内服が多いので、貧血が無いかのチェックする |
一般生化 | 肝機能・腎機能検査 | お薬を飲み続けるので、腎・肝機能に異常が無いかの確認で採血する |
Dダイマー | 血液の凝固検査 | 薬の副作用で血液が固まりやすくなっていないか確認する目的で採血する |
腫瘍マーカー(CA125・CA19-9)なんで採血するの?

CA125・CA19-9は腫瘍マーカーなんでしょ!!私、ガンなの?

腫瘍マーカーと聞いて驚きますよね!実はガンの診断以外でも採血します。
月経の悩みで婦人科に行ったのに、何故か腫瘍マーカーを採血されて不安を感じたことはないでしょうか?
もちろん腫瘍マーカーなので【卵巣ガン】【子宮ガン】の早期発見や状態を見るためにも採血します。
実はガン以外でも採血は行われており、【子宮内膜症】の有無や診断の為に採血が実施されることがあります。
項目 | 基準値 | 目的・内容 |
CA125 | 35以下 | 卵巣ガンの早期発見に使われている腫瘍マーカー 一部消化器官のガンでも上昇 子宮内膜症でも上昇する |
CA19-9 | 37以下 | 消化器・膵臓・胆のう・肝硬変で上昇する 婦人科では子宮内膜症の診断で使用 子宮内膜症重症例で上昇が見られることがある |
必ずしもガンの発見だけとは限りませんので心配しないでね♪
まとめ
婦人科で実施されている検査の内容は次の通りです♪
・女性が一番気になる貧血検査は普段から行われている検査の一つ
・女性ホルモンの検査を総合的に判断して治療が行われている
・ピルの検査は半年に一回程度!定期採血はしっかり行っていこう!
・腫瘍マーカーはガンだけでは無く、子宮内膜症の診断で実施されることもある

採血も診断の為には必要だもんね!苦手だけど、しっかりと受けよう!

採血が苦手な方は看護師に言ってね!横になって採血が出来る所もありますから安心してね♪
採血が苦手な方も多いけれど、看護師に声をかけて安心して採血にのぞんでくださいね♪